新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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912: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:49:46.83 ID:kdA8uLchO

即興で立案した作戦を説明する段階で、アナスタシアは佐藤が永井の“断頭”を目論んでいることを初めて知った。“断頭”そのものへの恐怖、仲間が死ぬかもしれないという恐怖にアナスタシアがふたたび見舞われる。


永井「おまえが唆したんだ」


永井が恐怖に揺れるアナスタシアに向かって言う。


永井「“断頭”のリスクなら半分くらいは受け入れてやるから、絶対に佐藤を拘束しろ。それ以外のことは考えるな」


苦渋を耐える表情で、永井はアナスタシアの眼を真っ直ぐ見据えた。その眼に浮かぶ色はアナスタシアのものと同じだった。違うのは意識しているのは、自分の首だという点。

アナスタシアの懸念はもうひとつある。平沢のことだ。プール室での戦闘で死者が出たことにアナスタシアはひどく気を病んでいる。あらゆる瞬間に後悔がある。プール室のドアを開け、年嵩の黒服の頭部が砕かれるのを目撃したその瞬間から……。

佐藤を待ち構えている現在、アナスタシアはたえず平沢を意識していた。平沢が自分をどう思っているのか、未熟者だと見なしているのか、それとも仲間をみすみす死なせた役立たずだと考えているのか。


平沢「集中しろ」


視線と銃口を通路に固定したまま、平沢がアナスタシアに注意した。

息の詰まる思い。



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