911: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:48:03.61 ID:kdA8uLchO
永井は中野と並んで通路の中央に立っている。二人はシグザウエル P220を握り、階段のある南北にそれぞれ視線を向けながら佐藤を待ち構えている。装弾数はマガジンに九発、薬室に一発の計十発。換えのマガジンは互いに一つずつしか残っておらず、相談の結果、中野のほうは平沢に預けている。麻酔銃に装填する麻酔ダートは二人合わせてもそれより少ない。
伏撃の場所は永井の予想を元に平沢が指定した。さきほどの黒服たちを率いた戦闘と同じロケーションだったが方角は反対の南側で、階段へ続くドアからほど近い場所だった。エレベーターからも遠くなく、サーバー室のシステム破壊による電力ダウンのため、エレベーターの使用自体は不可能だが、亜人にとっては第二の逃走経路になりえた。
平沢とアナスタシアは十字に交わる通路の左右に分かれて、永井と中野の背中を見守っている。
作戦はひどく単純だった。
永井を囮にし、中野と平沢が戦闘をサポートしつつ、隙を見てアナスタシアがIBMを発現、佐藤を拘束し、麻酔銃を撃ち込む。
万が一、佐藤がまだIBMを発現できたときのため、戦闘当初は永井と中野が受け持つことになった。IBMが使用不可だと確認されたとき、永井あるいは平沢の指示に従ってアナスタシアはIBMを発現する。
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20