909: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:44:58.82 ID:kdA8uLchO
アナスタシア「パーミチ……記憶を見ました、サトウの、記憶……IBMの頭がぶつかって、それで……」
中野「マジかよ」
アナスタシア「わたしはまだ、あと一回、IBMを出せます」
アナスタシアは永井にすがった。鼻が擦れ合うほどの距離まで近寄って、顔を上げる。顔から噴き出した汗が雫となって伝い落ちていく。アナスタシアの顔を濡らしていたのはほとんど汗だったが、そこには涙も混じっていた。
アナスタシアは永井を見上げながら言った。
アナスタシア「ケイ、おしえてください……アーニャは、どうすれば、サトウとたたかえますか?」
永井はアナスタシアを見ていなかった。その表情には先程から引き続いている苦悩が浮かんでいる。現状を計測しているがゆえの苦悩、実現しうるリスクについての苦悩、具体的な苦悩に永井は唇を噛んだ。
アナスタシア「ケイ?」
アナスタシアの呼びかけに永井は応えない。
平沢「おまえが決めろ、永井」
永井が顔を上げ、平沢を見る。
平沢「おれたちはおまえの命令に従う」
平沢の言葉につられて、永井は視線をアナスタシアと中野に向ける。
ふたりとも、無言の同意を顔に浮かべている。
十秒ほど経過し、永井は決断を下す。
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