826: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:37:03.65 ID:6D6vTS+OO
佐藤が破砕機と相対していたとき、フォージ安全の機械室に例の紙袋が届けられた。
紙袋を運んできた作業員が中身を見て、言った。
827: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:39:42.79 ID:6D6vTS+OO
佐藤「亜人は最も大きな肉片を核に再生する」
ビニールパックからごろんと転がり出てきたひときわ大きな塊は、人間の左手首だった。
828: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:40:37.38 ID:6D6vTS+OO
機械音が鳴りわたっている空間に人間の声がかすかに混じったのを永井は聴き取った。
永井「聞こえたか!?」
829: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:41:44.63 ID:6D6vTS+OO
永井「そんなはず……ない……」
永井は否定の言葉を口にしながら、天井パイプからぶら下がって、着地した。
830: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:42:27.79 ID:6D6vTS+OO
永井「佐藤さん、なんでそんな方法……できる……」
佐藤がほんとうに現実に存在しているのか、眼に見えている光景を信じきれない感情が渦巻くまま、永井は茫然と訊いた。
831: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:43:37.40 ID:6D6vTS+OO
佐藤「でも意外だなあ。永井君が十階にいるなんて。どんな作戦なんだろう?」
中野への関心もそこそこに佐藤は興味深げに周囲を見回して、言った。
832: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:45:55.52 ID:6D6vTS+OO
佐藤「止めてみせてよ、永井君」
永井「戸崎さん! スプリンクラ……」
833: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:46:56.35 ID:6D6vTS+OO
永井「眼が見えなきゃいくら佐藤でも闘えないはず。だからリセットできない方法で資格を奪う……そこに勝機があった」
中野「じゃあなにをすればいい、永井」
834: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:49:04.49 ID:6D6vTS+OO
それを聞いた永井は一瞬で佐藤の目論見を悟った。
835: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:49:47.34 ID:6D6vTS+OO
九階にある人事部。ひとりの社員が後ろめたさと自己正当化に苛まれて自分のデスクから動けないでいる。名前は青島。この青島が今回の内通者だった。
田中たちが捕獲されたときから、青島の内心は異常な勢いで焦燥し出した。内通の露見、共犯扱い、有罪、懲役刑、出所後の人生など考えたくもない。
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