830: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:42:27.79 ID:6D6vTS+OO
永井「佐藤さん、なんでそんな方法……できる……」
佐藤がほんとうに現実に存在しているのか、眼に見えている光景を信じきれない感情が渦巻くまま、永井は茫然と訊いた。
佐藤「社長室に直はさすがに無理そうだし、ここなら武器になりそうなものがありそうだし、それに……」
永井「死んだんだぞ!?」
佐藤「気にしないよ、私は」
佐藤はのんびりとした口調で応えた。
あまりの理解しがたさに永井の顔が歪んだ。
眼の前に立っているのはいくつもの矛盾が重なりあった幽霊ともいえる存在だった。肉体を持った幽霊。殺すために喜んで死んでいまも笑顔を浮かべている生きた幽霊。
永井はこれは何かの間違いではないかと思い始めていた。佐藤がここにいることではなく、自分がいてしまっていることが間違いだったのではと……
中野「佐藤オォ!」
根本的な理解の過ちを思い知って言葉を失っている永井の背後から中野の怒声がとんできた。
佐藤「きみは!」
佐藤はそこで言葉を切り、少し間をあけてから「だれだっけ?」ととぼけた返事をした。
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