831: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:43:37.40 ID:6D6vTS+OO
佐藤「でも意外だなあ。永井君が十階にいるなんて。どんな作戦なんだろう?」
中野への関心もそこそこに佐藤は興味深げに周囲を見回して、言った。
その発言を受け、わずかなりとも永井はショックから回復した。
永井 (こっちの思惑はバレてない!)
永井はすぐさま思考を働かせた。
(予想外の侵入だったが十階分とばしただけ、しかも非武装)(まだ作戦は生きてる)(あとはどうやって僕らをスルーさせ上に行かせるか)
現状認識と作戦の修正案の検討が同時的かつ無数におこなわれる。
佐藤「安心して」
佐藤は見守るようなおだやかな声で言った。周囲に彷徨わせていた視線を永井に戻し、宣言する。
佐藤「ルールは変えないよ。私はこのまま甲斐敬一と李奈緒美を暗殺しに行く」
永井の口の端が上向いた。好戦的ともいえる笑みを作り、同時にまだ焦燥の色もその表情に浮かんでいる。
佐藤の出現に戸崎たちも驚愕していた。モニターを見上げながら緊迫した眼で事態の推移を睨んでいると、突然警報が鳴り出した。
戸崎が無線機に飛びつき、叫んだ。
戸崎「永井! ガス漏れ警報が鳴ってるぞ!」
無線を聞いた永井の表情が固まる。視線は佐藤に固定され、佐藤の動き、佐藤の動きだけが空間から独立して唯一の運動体のように永井には見える。
佐藤の表情がかわる。にっこり笑って話し出す。
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