827: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:39:42.79 ID:6D6vTS+OO
佐藤「亜人は最も大きな肉片を核に再生する」
ビニールパックからごろんと転がり出てきたひときわ大きな塊は、人間の左手首だった。
佐藤「転送だ」
佐藤が破砕機に飛び込んだ。
左手首が突然黒い粒子を噴出して舞い上がった。粒子は螺旋状に回転したかと思うと、たちまち血肉となって人体をかたちづくる。
距離を隔てた死と再生。A地点で死に、B地点で復活する。
転送を果たした佐藤は眼前の作業員の工具ベルトからドライバーを奪い取り、切っ先をこめかみに突き刺した。
佐藤が旅立ったあと、ひとり取り残されていた材木工場の社員は嘔吐し、床を汚した。がたがたと身体の震えが激しくなった。
カッタードラムの刃と受け刃が木材を挿入されたときと同じように人間を細かく砕いたのを見たのは一瞬だったが、破砕音は始めから終りまで聞いていた。
木材破砕機もまた振動を続けていた。排出口から吐き出された佐藤の血と肉片が床にぶちまけられている光景とあいまって、まるで悪いものをたべてしまったかのようだった。
ーー
ーー
ーー
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20