新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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482: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:56:08.65 ID:rkcK97lyO

ゲン「もう一度復活の隙を作ってやるんた」

高橋「手前の奴を転ばす……」

以下略 AAS



483: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:57:47.02 ID:rkcK97lyO

 離れたビルの屋上まで響く長い銃撃音を耳にしたゲンが思わず叫ぶ。もうもうと立ち込める煙に遮られ、佐藤がどうなったかはゲンのところからは見えない。

 SATの射手は、硝煙によって標的の視認が困難になる寸前で射撃を中断した。煙が風に運ばれ、ふたたび銃弾を見舞おうと短機関銃の銃口を向けたそのとき、射手は異変に気づいた。

以下略 AAS



484: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 22:59:25.41 ID:rkcK97lyO

 SATが動揺から回復する前に佐藤は目の前にいる隊員の脚を吹き飛ばした。銃撃からすこしの間もなく佐藤は前に飛び出し、蹴りあげられたように身体を一回転させる隊員の下に潜り込み、その身体を背負った。


SAT隊員「撃つな!」
以下略 AAS



485: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:02:14.58 ID:rkcK97lyO

ゲン「マジかよ……」


 集団の中心から隊員を確実に殺している佐藤を双眼鏡越しに見ていたゲンが、眼を見開いたままぼそりとつぶやいた。
以下略 AAS



486: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:04:16.76 ID:rkcK97lyO

 地上では、佐藤が短機関銃のストラップを首に巻き付けて動きを拘束した隊員を盾にして、銃弾の装填を行っていた。首に食い込むストラップのせいで、見開いた両眼が血走っている。


SAT隊長「散れ! 散れ!」
以下略 AAS



487: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:05:49.46 ID:rkcK97lyO

 佐藤は隊員をふたたび後ろに引き倒すと、掴んだ手首を首まで持ってきて、さらけ出された喉にナイフを深く突き刺した。佐藤はナイフを喉の外側から真ん中に走らせると刃を引き抜き、今度は反対方向から同じようにナイフを素早く動かし喉を掻き切った。

 隊員の左右の頸動脈が真っ二つに切断され、噴水のように吹き出した血が雨に混じって隊員たちに降り注ぐ。佐藤は隊員を前に押し出し、いまにも散らばろうと身を翻しつつある部隊の中心に血塗れの仲間を投げつけた。

以下略 AAS



488: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:07:49.25 ID:rkcK97lyO

 一方的な展開だったが、それでも生き残っている隊員は、冷静さをギリギリで保ち、死体を盾にする佐藤に向けて引き金を引いた。死体を貫通した銃弾が佐藤の頬を切り裂いた。

 佐藤は死体を持ち上げると、射手のいる方向に向かって投げつけ、仰向けになって転がっている死体の胸部を撃った。タクティカルベストに装備されたスモークが吹っ飛び、あたりが白い煙幕に包まれる。

以下略 AAS



489: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:10:04.59 ID:rkcK97lyO

佐藤「あ」


 ショットガンから弾は発射されなかった。佐藤は最後の一本になったスピードローダーに手をかける。一方、SATの最後の生き残りは、レッグホルスターから拳銃を引き抜き、銃口を腹にあて弾切れになるまで撃ち続けた。佐藤の身体にいくつも孔が開き、スピードローダーを持つ手がだらりと垂れ下がった。
以下略 AAS



490: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:12:38.78 ID:rkcK97lyO

 戦闘に決着がつき、グラント製薬があった場所に静寂が戻った。

 佐藤は煙が流れるヘルメットからショットガンを引き抜いた。支えを失った死体が膝から真っ直ぐ下に落ちる。死体は背をまるめながら前方に倒れると、ケブラー製のヘルメットが地面を転がった。十二ゲージの散弾を内側から食らったヘルメットは、頭頂にあたる部分が大きく破れていて赤かった。ヘルメットと死体の首は、赤色の線で繋がっていて、それはどことなく臍帯を連想させたが、実態はまるで違っていた。その線は地面に染み付いていた。

以下略 AAS



491: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:15:08.39 ID:rkcK97lyO

 道路では、まだ悲鳴がこだましていた。激しい戦闘音が轟いたせいで、怪我人たちのパニックがぶり返したためだった。このせいで、救急隊員たちの仕事は依然として進んでいなかった。

 佐藤は散歩の帰り道のように悲鳴の中を歩いていった。そのとき、車列のあいだを抜けようとする佐藤を呼び止める声が耳にとどいた。

以下略 AAS



492: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/10/23(月) 23:16:59.86 ID:rkcK97lyO

佐藤 (空っぽー……)


 佐藤はまた左手にショットガンをぶら下げ、その場から去っていった。
以下略 AAS



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