11:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:15:17.79 ID:DCQRcG4p0
北上はそう言ってから手にしたナンクロを開く。
それから、いつものように自分の椅子に座った。
僕はこの光景を見て疑問を覚えた。
仕事がなければ、このように北上はいつも何かしらで暇をつぶしている。
この光景に疑問を覚えたわけではない。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:16:35.93 ID:DCQRcG4p0
「……いや、いい」
喉元まで言葉は出かかった。
けれど先は僕には言えなかった。
13:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:17:19.68 ID:DCQRcG4p0
北上はそれだけ言ってナンクロに戻った。
ひどく気分が落ち込んだ僕は、執務を再開しようとした。
だが、ばかに集中できない。
北上の顔を盗み見る。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:26:57.32 ID:DCQRcG4p0
03
提督業を始めて最初に面食らったことはいくつかある。
中でも一番驚いたのは初期艦の不在であった。
共に成長していくはずの人材は回されず、
15:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:28:35.78 ID:DCQRcG4p0
きしむ扉を開け、軍服のボタンに手をやる。
しわにならないようにハンガーに引っ掛ける。
そのままベッドに倒れ込み、仰向けに汚れた天井を見る。
年季の入った天井のシミが笑い顔のように見えた。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:29:37.98 ID:DCQRcG4p0
だが覚悟とは裏腹に気分が晴れずその場で寝返りを打つ。
二つ大きな懸念があった。
は、先ほどまで話していた北上の存在。
もう一つは、引き継いだ艦隊である。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 21:31:41.24 ID:DCQRcG4p0
…彼女たちは悪い意味で特別である。
いい面を見れば、高い練度。
また同型艦と比較して……妙に強いと言う事実はある。
18:名無しNIPPER[sage]
2016/12/29(木) 21:34:13.95 ID:DCQRcG4p0
インドで受けた電話に答えたがために、
奴は死んだ。それしか僕には分からない。
また興味もなかった。
ただ、それでも男を彼女たちは慕っていた。
19:名無しNIPPER
2017/01/04(水) 15:46:41.05 ID:U03qxFq4O
04
老朽化した庁舎を出る。
ポストに手紙を投函する。
20:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 15:56:33.52 ID:U03qxFq4O
undefined
21:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 16:00:14.78 ID:U03qxFq4O
庁舎に戻ると、帰投した夕立がいた。
自室に向かう途中なのだろう。
ガリガリと相変わらず首をかいている。
血が出る一歩手前、真っ赤に変色した皮膚が目立つ。
入渠する度にその傷跡は消えるのだが、
107Res/73.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20