【艦これ】提督「継続しているものの」【安価】
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21:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 16:00:14.78 ID:U03qxFq4O
庁舎に戻ると、帰投した夕立がいた。
自室に向かう途中なのだろう。
ガリガリと相変わらず首をかいている。
血が出る一歩手前、真っ赤に変色した皮膚が目立つ。
入渠する度にその傷跡は消えるのだが、
やはりいい気分ではない。
無視するでなく、僕は業務から声をかけた。

「どうだ」

「問題ありません。何事もなく帰還しました」

そう夕立は言う。
彼女は制服の埃を払うと、僕の手元を見た。

「また雑誌」

どう言うニュアンスで言ったのだろうか?
僕は解らなかった。
返事がなかったからだろう。
興味なさそうに夕立は言った。

「部屋に戻るっぽい」

「そうか」

僕は何も言わず彼女を見送る。
執務は終えていたが、
追加の仕事の有無を確かめに僕は執務室の扉を開けた。
入室してすぐ、僕は煙たさに顔をしかめた。
見れば僕の執務用の机に座って、
北上が不恰好なタバコを吹かしていた。

「何をしている」
怒りから口調は硬い。
予想通り彼女は謝罪しない。
なんら悪びれた様子もないまま、北上は答えた。

「夕立の報告を代理で受けてー、手巻きを吸ってた」

乳白色の煙を吐いて、北上は言う。

「まずいまずい。辞書で巻くんじゃないね」

彼女は机から降りる。
見ればカッターで解体したらしい辞書が見えた。

「東京湾は安定だそうですってー」

「わかってるさ」

横須賀があるのだ。
問題が起きるはずもないし、起きさせもしない。
その事を知っていたからそう答えると、北上は思いもしないような一言を言う。


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