147:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:45:51.05 ID:uyYIQu6tO
向こうはいつでも現れることが出来る。
しかし、此方には対抗する術がない。絶望は魔ではない。故に、感知すら出来ないでいた。
148:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:49:06.06 ID:uyYIQu6tO
今、この瞬間にも、数多くの命が奪われている。
地下施設が完成してから現れたというのも、意図的なものを感じざるを得ない。
149:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:50:48.86 ID:uyYIQu6tO
「(……どうか、生きて)」
一人きりの部屋で誰にも見られることもないのだが、彼女は両手で顔を覆い隠した。
150:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:53:12.85 ID:uyYIQu6tO
私と夫が得た唯一の希望を失いたくない。
だから、何があろうと決して諦めず、この先を生きて欲しい。
151:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:56:34.52 ID:uyYIQu6tO
「こうでもしないと、希望は折れないようだ」
「奴が早々に折れていれば、こんなことをする必要はなかったのだがな」
152:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:02:06.71 ID:uyYIQu6tO
煤けたフードの奥にある暗黒に、幾つもの赤い眼が浮かび上がる。
それらすべてが彼女を凝視し、それぞれが憎しみを叩き付けるかのように、視線を浴びせかけた。
153:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:05:06.48 ID:uyYIQu6tO
「やっと、相見えることが出来る」
「我と我等の半身でありながら相対する者。我と我等と共に生まれし者」
154:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:10:04.28 ID:uyYIQu6tO
「待っていよ。希望よ、もう暫し待て」
「今に行く。今に行くぞ」
155:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:12:28.26 ID:uyYIQu6tO
自身を脅かす唯一の敵。勇者。
彼の最愛の母と最愛の女性を手中に収め沈み込んでいく、襤褸を着た男は肩を震わせて笑った。
156:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:18:57.72 ID:uyYIQu6tO
底からは、微かに音が聞こえる。
何かの呻きのような唸りのような、獰猛な何かが押し寄せる気配が、徐々に迫ってくる。
157: ◆4RMqv2eks3Tg[saga]
2016/12/06(火) 01:22:44.24 ID:uyYIQu6tO
今日はここまで
レスありがとうございます。読んでる方、ありがとうございます。
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