150:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:53:12.85 ID:uyYIQu6tO
私と夫が得た唯一の希望を失いたくない。
だから、何があろうと決して諦めず、この先を生きて欲しい。
酷なことを言っているのは承知している。それでも願わずにはいられない。
この夜を乗り越えれば、きっと夜が明ける。
絶望によって歪められた運命から解放された時、息子は初めて自由になれる。
其処に自分が居なくとも、息子さえ無事であれば、それでいい。
「(だから、どうか……)」
「祈りなど無意味だ」
今現れたのか、それともずっと其処に居たのか、襤褸を着た男が立っていた。
小脇に抱えられている見覚えある女性を見て、彼女ははっと息を呑んだ。
何を企んでいるのかなど瞬時に理解出来たが、最早どうすることも出来なかった。
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