勇者「救いたければ手を汚せ」 
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149:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:50:48.86 ID:uyYIQu6tO

「(……どうか、生きて)」

一人きりの部屋で誰にも見られることもないのだが、彼女は両手で顔を覆い隠した。

息子が直面しているであろう痛みを想像するだけで、胸が張り裂けそうになる。

声を押し殺そうと、顔を覆い隠そうと、一度流れ出た悲しみが止むことはない。

目尻から溢れたもの指先へ、頬を流れたものは手のひらへと伝っていく。

手のひらをから手首へ、或いは病によって更に細くなった指の隙間から止め処なく流れ落ちる。


「(他の何も望みはしない。ただ、生きて欲しい。自由に、しあわせに……)」


そう願わざるを得ない。

二度と会えなくともいい。ただ、息子にだけは生きて欲しい。

出来ることならば、しあわせになって欲しい。



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