154:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 01:10:04.28 ID:uyYIQu6tO
「待っていよ。希望よ、もう暫し待て」
「今に行く。今に行くぞ」
「お前にとっての絶望を携えて、お前を絶望に貶める為に。待っていよ、待っていよ」
「我と我等よ。血の雨じゃ、血の雨を降らせ」
「さあ、さあ、雪原を赤染にせよ。一度きりの舞台じゃ、派手なくらいが丁度よいであろう?」
「月明かりに照らされた真紅が如何様なものか、奴めに見せてくれよう」
「斯様なまでに美しく散る赤があるのかと、奴めに教えてくれようぞ」
「一度きりの戦。血染めの赤で彩り、世も歴史も塗り潰し、死の上に死を築け」
「地上も地下も同様に、常世も現世も同様に、我と我等に染め上げようぞ」
男とも女とも言えぬ異様な声を発しながら、自身の作った血溜まりにずぶずぶと沈んでいく。
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