154:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:00:22.07 ID:ntvrM9VEo
「私はビジネスマンだ。プロフェッショナルだ。ゆえに、仕事は選ばない。依頼を受けた
以上、兎だろうが産まれたての吸血鬼だろうが、私は全力を持って相手をしよう」
155:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:01:12.16 ID:ntvrM9VEo
「大変な目に遭われましたね。平和な生活から突然に吸血鬼などという化け物にされてし
まった。怪物にされてしまった。精神が侵されても、仕方の無いことと言えるでしょう。
156:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:02:41.38 ID:ntvrM9VEo
ぼくは適当な方を指さし、適当に説明をする。というか、説明しようにも、実は自分の位
置も分からないのだ。ぼんやり街を徘徊しているうちに、ぼくはすっかり迷子になっていた。
157:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:05:46.24 ID:ntvrM9VEo
「最期に、一つ、聞いてもらってもいいですか?」
「どうぞ、なんなりと」ギロチンカッターは促す。
158:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:09:29.13 ID:ntvrM9VEo
狙いは、右後方、来た時から見て左側の道。さきほど反応を見せたエピソードだ。蹴り
砕いたアスファルトは、礫となってエピソードを襲いかかる。と言っても、これでダメージを
159:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:11:05.16 ID:ntvrM9VEo
一瞬、三人は驚いたようであったが、その次の一瞬には回復し、ぼくのほうへと襲い掛かる。
正面からはギロチンカッターが、左後方からは両手を振りかぶったドラマツルギーが、右後方
160:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:11:58.46 ID:ntvrM9VEo
ああ、ほんとう、こんなことになるのなら、期待なんて持たせるんじゃなかったなあ。
と、おそらく今頃はあの廃墟の中、ぼくの帰りを今か今かと待っている彼女を思いながら、
161:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:16:20.01 ID:ntvrM9VEo
――しかし、そんなぼくの覚悟とは裏腹に、ぼくは助かった。ドラマツルギーの両腕が
ぼくを斬ろうと、エピソードの十字架がぼくを貫こうと、ギロチンカッターがぼくを滅しよう
162:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:17:49.88 ID:ntvrM9VEo
006
忍野メメ。
163:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:21:01.58 ID:ntvrM9VEo
しかし、そんなぼくの思いとは裏腹に忍野は「礼なんていいよ。きみが一人で助かっ
ただけさ、阿良々木くん」なんて、とぼけた口調であっさりと言うのだった。
164:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:24:12.18 ID:ntvrM9VEo
「それにしても阿良々木伊荷親ね――ふーん」
「…………なにか?」
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