キスショット「これも、また、戯言か」
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163:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:21:01.58 ID:ntvrM9VEo

 しかし、そんなぼくの思いとは裏腹に忍野は「礼なんていいよ。きみが一人で助かっ

ただけさ、阿良々木くん」なんて、とぼけた口調であっさりと言うのだった。

 あっさり、と言うなら、あの三人のヴァンパイアハンターも随分とあっさりとしたもの

だった――最初の攻撃を忍野に邪魔された途端に、三人とも来た道を素早く戻ってい

ったのだ。

「…………」

 ともかく――本人は否定しているが――ぼくはこの男に助けられた、と言えるだろう。

 あれから特に殺気を感じない。ヴァンパイアハンターから襲われる気配はないと言える。

ということは、今ぼくが真っ先に気を配らなければいけないのはこの男、忍野メメという

ことになるのだろう。

 ヴァンパイアハンターからの襲撃の次は、この男がいったい何者なのか。敵か、味方か。

その判定をしなければならないらしかった。



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