162:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:17:49.88 ID:ntvrM9VEo
006
忍野メメ。
サイケデリックな水色のアロハ服を着た、その怪し過ぎる男は、ぼくを助けたおっさんは、
そう名乗った。
全くふざけた名前だが、こちらは助けられた身。ここでツッコミを入れられるほどに、
ぼくの面の皮は厚くなかった。
「えっと……忍野、さん。ありがとうございます――助かりました」
ちょっと迷ったけど、ここはひとまず、礼を言うことにした。
いくらなんでも、あのタイミングで、あの助けかた。十中八九、何か裏がある。ぼくを何かに
利用する気満々としか考えられないが、まあ、なんというか、やはり人として、形だけでも礼
は言っておくべきなのだろうと思った。
もう人間でもないけど、それでも、人として。
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