161:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:16:20.01 ID:ntvrM9VEo
――しかし、そんなぼくの覚悟とは裏腹に、ぼくは助かった。ドラマツルギーの両腕が
ぼくを斬ろうと、エピソードの十字架がぼくを貫こうと、ギロチンカッターがぼくを滅しよう
としたその瞬間、そこに、突然に男が現れた。
吸血鬼の眼のぼくにもわからない、意識の隙を突いたかの様にそれは突然にぼくの
目の前に現れた。
四人目の男。
その男は、ドラマツルギーの大剣を二本、右手の人差し指と中指、薬指と小指で、それ
ぞれ白刃取りし。エピソードの巨大な十字架を、右足の裏で受け止め。ギロチンカッター
の俊敏な動きを、左手を突き出すことで、触れることなく制する。
そんな離れ業を見せつけた男は、人間かどうかも疑わしい動きを見せた男は、ただ「はっ
はー」と、お気楽に笑って言う。
「こおんな住宅街のど真ん中でさあ……剣振り回して十字架叩きつけて物騒なこと言って、
本当、きみ達は元気いいなあ−−」
楽しそうに言うそいつは、それはお前のことなんじゃないか? とツッコミたくなるようなことを、
続けた。
「−−何かいいことでもあったのかい?」
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