156:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:02:41.38 ID:ntvrM9VEo
ぼくは適当な方を指さし、適当に説明をする。というか、説明しようにも、実は自分の位
置も分からないのだ。ぼんやり街を徘徊しているうちに、ぼくはすっかり迷子になっていた。
もし一人ずつを相手にし、無事キスショットの部品を手に入れたとして、おそらくはあの
廃墟にたどり着けず、部品とともに日光に焼かれていただろう。つまりは、土台、無理な話
だったのだ。期待させちゃったことだけは、少し申し訳ないけれども、でも、そんな期待な
んて勝手にかけられても困る。
「丁寧な説明、ありがとうございました。それでは」三人は、同時に足を踏み出そうと
する。
「あなたが人間である間に殺して差し上げましょう」
人間である間、か。
果たして、ぼくは人間として生きていた。と、本当にそう言えるのだろうか?
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