勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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208:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:11:51.34 ID:niX7BoNT0
209:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:13:15.11 ID:niX7BoNT0
勇者「……なんて言ってたのに、俺が幸せを祈っていたはずの彼女は俺の傍で一緒に魔界に挑もうとしているのでした。まる」
戦士「何を一人でぶつくさ言ってるんだ」
しみじみと思いを馳せていた勇者に戦士から呆れ気味の声が飛ぶ。
210:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:14:35.37 ID:niX7BoNT0
勇者「さあ、行こう」
勇者と戦士は覚悟を決めて泉の中に飛び込んだ。
身に纏う装備品や剣の重量に引かれてどんどん自分の体が沈んでいくのが分かる。
勇者と戦士は固く閉じていた目を開いて水底に視線を向けた。
211:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:15:59.41 ID:niX7BoNT0
勇者と戦士は黒く見えていた場所に辿り着いた。
向かっている途中で薄々分かってはいたが、勇者が予測した通り、それは沼だった。
勇者「生き物が生息しているようには見えねーなあ……」
212:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:17:14.99 ID:niX7BoNT0
勇者と戦士はこれから探索に向かう先を、泉のほとりにあった独特な形をした岩を背にして真っ直ぐ進んだ方と定めた。
勇者「北も東も分からんから、とりあえずま〜っすぐ進んでみよう」
戦士「今が昼なのか夜なのかも分からんな……私達の世界を基準にするなら、まだまだ昼前のはずだが」
213:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:19:09.77 ID:niX7BoNT0
さしたる傷も負わず、勇者と戦士は恐竜型魔物を打ち倒した。
かつては報奨金を得るために魔物を倒せば必ず戦利品を持ち帰っていたものだが、もう今はそんなことをする必要はない。
魔王討伐に多大に寄与した勇者一行は、各国から手厚い補償を受けている。
勇者も戦士も、武具の更新や旅に必要な物資についてはほぼ無償で提供を受けることが出来た。
214:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:20:43.17 ID:niX7BoNT0
しかしそんな勇者の願い空しく、いつまでたっても荒野を抜けることが出来ないまま夜を迎えてしまった。
勇者と戦士は荒野にテントを立てて野営の準備を進める。
勇者「魔界にも夜ってあるんだな」
215:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:21:41.82 ID:niX7BoNT0
翌日―――
勇者「おお、山だ……あれ多分山だよな…?」
戦士「おそらく…な」
216:ID加速中 ◆V9LlgfWZs2
2016/05/08(日) 17:22:24.82 ID:+rzjddhI0
という>>1の妄想でした
これから>>1は回線で首吊って自殺をするそうです
皆さんこのゴミSSを書いた>>1を供養しましょう^^
217:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:23:16.64 ID:niX7BoNT0
山の中で勇者を少なからず驚かせるものがあった。
それは植物らしきものの存在である。
山の中にはごく僅かではあるが、植物らしきものが群生していたのだ。
植物だと断言できなかったのは、それが紫や赤など、あまり元の世界では見られないような色のものばかりだったからである。
しかも、先に進むにつれてその植物らしきものの量はどんどんと増えているように思えた。
218:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:24:58.80 ID:niX7BoNT0
そして、勇者と戦士は無事に下山を終え、遂に町の中へと足を踏み入れた。
緊張でからからになった喉にごくりと唾液を通して、勇者はきょろきょろと周りを見渡す。
建造物は色合いこそ人間が作る物と異なるものの、木造建築やレンガ造りに近いものではないかと推測されるものばかりで、魔界特有の何かしらというものを特別感じることは無かった。
道行く者が実に様々な種族の魔物であることを除けば、そこまで大きくない普通の人間の町と―――それこそ、勇者と戦士の故郷の町と、それほど変わらぬ雰囲気であった。
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