勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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215:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:21:41.82 ID:niX7BoNT0
翌日―――
勇者「おお、山だ……あれ多分山だよな…?」
戦士「おそらく…な」
荒野をひたすら進んでいた勇者達は、地平線に浮かぶ山の影をその目に捉えた。
勇者「いや、山なんだけどね…ただの山なんだけどね……それでも、景色に変化が出てきたことがこんなに嬉しいとは……」
戦士「今までまっっったく景色に変化が無かったからな……」
勇者「ずーーーっと無言の時間あったよね……今更だけどあの時間帯何考えてた?」
戦士「何か…色々……お前は?」
勇者「俺も……何か色々……」
戦士「そうか……」
勇者「うん…」
やがてはっきりと山の姿が目に入ると、心なしか二人とも声が弾み、足取りも軽くなった。
勇者「あの山を越えた先にはさ、一体どんな景色が広がっているんだろう?」
戦士「きっと、私達の知らない、素敵な世界が待っているんだ!」
勇者「どうする? 山の頂上から見た景色がずーーーっと荒野だったら」
戦士「一回帰る。いくらなんでもちょっと心折れる」
疲れからか、かように妙なテンションのまま、勇者と戦士は謎の山脈に突入していった。
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