勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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20:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:49:25.94 ID:zBP9Ql630
故障品―――そんな言い方をしたが、実際の所、勇者はこの時点で半ば壊れかけていた。
このまま壊れてしまうのは、余りに勿体無い。そう思って励ました。
21:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:50:13.04 ID:zBP9Ql630
見たい。それはすごく見たいなあ。
22:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:51:15.06 ID:zBP9Ql630
勇者「面白そう……か。そうだな。お前はそういう奴だよな」
騎士「本当はな、お前と一緒に魔王の所に行って、そこで正体をばらすつもりだったんだよ。その時のお前の顔を見るのが楽しみだった」
勇者「だけど、先に俺が気づいてしまった……残念だったな。お望みの顔が見れなくて」
23:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:52:16.12 ID:zBP9Ql630
勇者は騎士に向かって再びその指をさした。
騎士「……あん?」
勇者「呪文―――大火炎ッ!!!!」
24:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:53:20.72 ID:zBP9Ql630
騎士「ぐぁっ、があああああああ!!!!?」
ビシャァァアアン!!!! と、凄まじい衝撃が騎士の体を打つ。
それまでの呪文二連撃によって勇者の指先に意識を集中させられていた騎士は、頭上から降り注ぐ雷に碌な反応も示すことは出来なかった。
25:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:54:32.56 ID:zBP9Ql630
騎士は戦士の一撃をこそ危険と判断し、その剣が向かっていた先―――己の首を両腕で庇った。
しかし戦士もさるもの、その動きを読み、一瞬で剣を斬り返して狙いを騎士の胴体に変えた。
ずぶり、と戦士の持つ剣の切っ先が騎士の腹に沈む。
騎士「ぐぼ…!! ……おぉぉぉおおおおおおお!!!!」
26:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:55:56.83 ID:zBP9Ql630
勇者「呪文・大雷撃ッ!!!!」
再び天から放たれ、地面を打つ神の一撃。
しかしそこに既に騎士の姿は無い。
27:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:56:46.58 ID:zBP9Ql630
第三中継点――――
兵士A「すげえ……これが、宝術……」
兵士B「優しく包み込まれるような光だ……心地良い……」
28:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:57:24.49 ID:zBP9Ql630
第二中継点――――
アマゾネス少女「宝術……本当に凄まじい威力。体が軽い。さっきまであんなに面倒だった魔物達がもう雑魚にしか思えない」
アマゾネス族長「アマゾネス少女、宝術が発動したということで、手筈通り私は魔王討伐隊に加わる。ここの指揮を任せて大丈夫か?」
29:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:58:17.52 ID:zBP9Ql630
数分前、魔大陸上空――――
たった一人で翼持つ魔物達を相手に空を守り続けた竜神は、大地から放たれる光を興味深く見つめていた。
竜神「ふむ……これが話に聞いていた『宝術』か。エルフ共め、大した術を持っておるわい」
30:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:59:16.86 ID:zBP9Ql630
魔王城より僅かに離れた森の中―――勇者達が事前に造り上げていた木造の簡易基地。
魔王討伐隊に任命された各地の精鋭たちが、翼竜の羽によって次々と基地に飛来する。
集まった人員の指揮を執るのは、武の国兵士長だ。
兵士長「皆の者!! この宝術によって我々の力は増し、魔物の力は半減している!!」
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