93: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:03:12.14 ID:KfQkdvPD0
弟。
自分の耳を疑ったけど、ギルが目深に帽子を被り直している辺り、その発言は真実のようだった。
「……家では一人、グラスゴー支部には先輩の神機使いばかり」
94: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:05:02.63 ID:KfQkdvPD0
「――大丈夫、大丈夫!今のでばっちり聞いちゃったから♪」
「……ギルも、しっかりロミオを想っていてくれたんですね」
95: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:06:28.76 ID:KfQkdvPD0
◇
アラガミの出現が確認された旧市街地にて、私達はロミオが脱走した時の顔ぶれのまま、1日ぶりに彼と再会した。
「……説教は後にする、まずは仕事だ」
96: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:08:31.10 ID:KfQkdvPD0
◇
アラガミの討伐を終え、ロミオの元に私達が集まる。
今回の相手はガルム種と呼ばれる大型種別のアラガミで、嘗て私が対峙した"感応種"と系譜を同じくする、狼の姿を象ったアラガミだった。
他の系譜に連なる"感応種"とは何度か交戦したものの、件の狼型とは未だ再戦の機会がない。
類似した外見と、似通った戦法を用いる今回の大型種との戦いで、改めてそのことに対する不安がよぎったけど、
97: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:10:42.85 ID:KfQkdvPD0
言うだけ言って、ギルがその場を立ち去っていく。
それを見やり、ナナが抑えめの声でロミオに呟いた。
「ギル、ずっとロミオ先輩のこと気にしてたんだよ……言い過ぎたって」
98: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:11:34.32 ID:KfQkdvPD0
彼らは、再び、歩み出す。
「あ、そうだ!帰ったら例の約束、よろしくねー!」
99: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:17:14.69 ID:KfQkdvPD0
ロミオ編終了と見せかけてもうちょっとだけ続くんじゃ
オリ掛け合いの割合が増えてきているのでその練り込みに投下時期が不安定になっております……少し前から既にですが
もはや誰も見てないだろうけど一応
100: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 22:56:08.54 ID:KfQkdvPD0
◇
ロミオが"アナグラ"に帰還してから、数日が経った。
彼に依然として"血の力"の目覚めは確認できないものの、ロミオはその事実を受け入れ、糧にするという精神的な成長を果たした。
101: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 22:57:15.68 ID:KfQkdvPD0
そんな中、フライアへのアラガミ素材搬送に出ていたジュリウスが、ラケル博士を伴い、数日ぶりの帰還を果たした。
副隊長として、私が先行して二人を迎えに行くと、再会の挨拶もそこそこに、ラケル博士がある案を提示する。
「ロミオが"血の力"に目覚めない事を気に病み、一度"ブラッド"を離れようとしたとか……」
102: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 22:58:29.05 ID:KfQkdvPD0
「そう……ジュリウスがそこまで言うのであれば、あなたの意見を尊重しましょう」
「ありがとうございます……では、俺はここで」
103: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:00:12.56 ID:KfQkdvPD0
◇
「――急に呼びつけてごめんなさいね……早速、本題に入りましょう」
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20