【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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93: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:03:12.14 ID:KfQkdvPD0

弟。
自分の耳を疑ったけど、ギルが目深に帽子を被り直している辺り、その発言は真実のようだった。

「……家では一人、グラスゴー支部には先輩の神機使いばかり」
「兄弟の感覚なんてものは、精々俺がハルさん達に弟分として可愛がってもらった程度だった」
「だが、ある程度年を取って、少し落ち着いた後にロミオを見るとな……どうしようもない奴なんだが、ほっとくこともできない」
「その時になって、ハルさん達が俺を見ていた時の感覚がわかるような気がしたんだ」
「だから、アイツにはそれとなくアドバイスをしてきたつもりだったんだが……上手くいかないもんだな」

ギルが自嘲気味に笑う。
考えてみれば年もそんなに離れていないし、反抗期の弟を持った口下手な兄、という風に見れないこともないような。
その想像が可笑しくて、思わず表情に出てしまう。

「まぁ、お前相手だから話せたんだ……アイツらには、言うなよ?」

そう言って珍しく冗談めかすギルの瞳に、私の姿は映っていなかった。
こんな事を気にしてる場合じゃないんだけど、その時の私は少し弱っていて。
彼と笑い合いつつ、胸の奥がちくりと痛むのを感じた。


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