94: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:05:02.63 ID:KfQkdvPD0
「――大丈夫、大丈夫!今のでばっちり聞いちゃったから♪」
「……ギルも、しっかりロミオを想っていてくれたんですね」
だから、ナナとシエルの突然の登場は、私にとってはいたずらに余韻を引きずらなくて済んで、ある意味助かったかもしれない。
「お前ら……尾けてきやがったのか」
「さっきがさっきだったから、ちょっと不安でさ……副隊長、邪魔しちゃってゴメンね?」
何でそこでナナが私に謝るのか、皆目見当がつかない。いや全く。
「……先ほど、極東支部付近の、"赤い雨"の通過が観測されました」
「それとほぼ同時に、アラガミの出現も確認されています」
「皆あんまり喋んないから、どうにも暗くなっちゃうんだよねー……副隊長、早く迎えにいこ!」
「聞かれちまったもんは仕方ねぇか……行くぞ」
引け目や恐れ、コンプレックスの助長。
ロミオとの間には、色々と悔恨を残してしまったけど。
彼がそれらを受け入れてくれるかどうかは、とりあえず連れ戻してから考えることにしよう。
私はどうあれ、彼らのつながりを絶つことはしたくなかった。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20