100: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 22:56:08.54 ID:KfQkdvPD0
◇
ロミオが"アナグラ"に帰還してから、数日が経った。
彼に依然として"血の力"の目覚めは確認できないものの、ロミオはその事実を受け入れ、糧にするという精神的な成長を果たした。
それらの成果からか、彼の作戦行動の面においても、
味方への支援だけでなく、単独での戦闘術や、作戦指示などについての理解度が大幅に改善されている。
そうした模範的ともいえる任務態度に加え、彼が元々持つフランクな性格もあって、
ロミオは"アナグラ"内では若手ながら頼りがいのある神機使いとして、周囲に認知され始めているようだ。
また、以前までの懸念材料であったギルとの関係も、相変わらずしょっちゅう言い合いをする仲ではあるものの、
私達が笑って見ていられる程度には収まりがついていた。
そして私は、そのロミオと改めて話し合うことについて、中々踏ん切りがつかずにいた。
彼が脱走先でどんな経験をしてきたかわからないけど、今のロミオの姿に、私が無意識に過去の自分を重ねることはない。
ただ、一度喧嘩別れのような事態を起こしたまま、ここまで何の釈明もなく来てしまったがために、
互いにどこか引け目を感じながら接しているのが現状である。
流石に隊長代理として、"ブラッド"を総括する面で支障が出るほどじゃないけど、
それ以外の場面では、エリナの指導や他の神機使いとの共同任務を言い訳に、ロミオと話し合う機会を何となく避けてしまっていた。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20