103: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:00:12.56 ID:KfQkdvPD0
◇
「――急に呼びつけてごめんなさいね……早速、本題に入りましょう」
ラケル博士に依頼され、私は久々にフライアを訪れていた。
その外観、内装は、"黒蛛病"専用病院の整備に慌ただしくなっている以外、私達がいた頃と何ら変わりはない。
「榊博士の助言もあって、"赤い雨"の発生時期やその規模が、高い精度で予測できるようになりました」
「そこで、次は――」
ラケル博士から私に課せられた特殊任務、所謂"特務"は一つ。
「――おお、貴方ですか!?素材採取に協力してくれる"ブラッド"の方というのは!」
"神機兵"開発に必要な、特定のアラガミ素材を採取すること。
しかしそれは、彼女の姉でもあるレア博士が主導の有人制御の運用方式ではなく、
「初めまして、私は九条……あっ!その緑がかった金髪!!貴方は私の"神機兵"に無断で乗り込んだ……!?」
「……まぁ、ラケル博士に免じて水に流しましょう……私とラケル博士のこれからをよろしくお願いします!」
その反対派閥である、九条ソウヘイ博士の推し進める、無人制御式"神機兵"への開発協力だった。
市民の声や神機使い達からの批判もあり、
どうやらフライアの上にいる本部は、一見してリスクの少ない無人制御式"神機兵"の運用を優先する意向であるらしい。
どちらの方式であれ、人類の平和実現に貢献できるのであれば助力を惜しまない、というのがラケル博士の考えであるようだけど、
妹が自分の反対勢力に与していると知ったら、レア博士はどんな顔をするだろうか。
「あ、いや……これからの研究って意味ですよ?"神機兵"のね!はっはっは……」
その反対勢力のトップが、妹に何やらよからぬ想いを抱いている事も含めて。
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