106: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:13:01.49 ID:KfQkdvPD0
……仲間といる事に慣れたのは、いつからだろう。
学生時代、1人でいるのはむしろ好きな方だった。
父は押しつけるだけ押しつけて、それに対する私の努力には無関心だったし、母とは、彼女が死ぬまで顔を合わせた事がない。
周囲にいる学生達を見ても、それらと馴れ合って、上手く溶け込もうとは思えなかった。
107: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:16:24.22 ID:KfQkdvPD0
◇
ラケル博士に招かれたダイニングルームのテーブルには、"アナグラ"では見たこともないような、
しかし私にとっては馴染みのあるような、そんな高級料理が並べられていた。
もちろん、高級であろうとなかろうと、食糧には貴賤なく工場生産のものが用いられているんだけど。
縦長のテーブルに私達2人、しかもラケル博士が向かい側に座っていることもあって、緊張で味はよくわからなかった。
108: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:18:07.66 ID:KfQkdvPD0
「そう、ギルが……これは、嬉しい事を聞いたわ」
「……ジュリウスと過ごしてきて、私、思ったの」
「人間がともに同じ時を過ごし、共に語らい、共に泣き、共に笑い合う事さえ出来れば」
「……そこには、家族という絆があるのだと」
109: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:20:34.84 ID:KfQkdvPD0
「……九条博士から?」
「はい、次の"特務"についてでした」
110: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:22:30.52 ID:KfQkdvPD0
ラケル先生とのお食事会まで
ここら辺から拠点会話の記憶が消えててヤバい
111:名無しNIPPER[sage]
2015/09/05(土) 00:50:26.79 ID:N8PWpx+AO
乙
この辺りのラケル博士は可愛かったな
112: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:09:28.84 ID:CwQRhC1A0
◇
「いやーありがとう!あなたのおかげで研究が捗りましてねぇ!!」
「自立制御装置の完成まであと一歩というところですよ!まぁ、その一歩というのが最大の難関なんですがねぇ――」
113: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:13:02.68 ID:CwQRhC1A0
「えっ……ラケル博士から私に?……てっ、手紙ぃ!?」
「……あ、ああすみません!気が動転して!」
「……それにしてもラケル博士は素晴らしい方ですよ……科学者として優秀で、健気で、ホタルのように儚く――」
またマシンガントークが始まる前に、それとなく話を切り上げる。
114: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:28:44.88 ID:CwQRhC1A0
◇
「くぅ……はぁー!今日もよく働いたなー」
115: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:30:06.60 ID:CwQRhC1A0
「ありがとう……それで、任務に私を誘ったのって、やっぱり――」
「あー、ちょっと待った!大体お前の予想通りだけど、俺から言わせてくれ」
「……この前はごめんな、あんな事言っちまって」
116: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:31:34.56 ID:CwQRhC1A0
「そいつ、色んな事情があって、エリートクラスから俺達のいるクラスに降りてきたんだけど、」
「来た時は何にもも喋らなくてさ……正直、クラスの中でも浮いてた」
「だからその子と仲良くなろう!って……単純だけど、そういうガキだったんだよ、俺」
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