109: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 23:20:34.84 ID:KfQkdvPD0
「……九条博士から?」
「はい、次の"特務"についてでした」
「……そう、少し名残惜しいけれど、仕方がないわね」
曇りがちに目を伏せるラケル博士を見て、
今回私が指名されたのは、こうした話をする事も目的にあったからなんじゃないかと、ふと思った。
再び顔を上げたラケル博士が、私に一通の、黒い手紙を差し出す。
「九条博士に会ったら、この手紙を渡してほしいのです……もちろん、中身は内緒でね」
「……こうしてまた、あなたを振り回す形になってしまって、ごめんなさいね」
「大丈夫です……まだ、色々考えちゃいますけど」
「……あなたにこうして連れ出してもらえて、今はよかったと思ってますから」
少し真意を測りかねるところはあるけど、これは事実だ。
目の前の女性のおかげで、私はもう少しだけ夢を見ていられる。
「……ありがとうございます」
「ジュリウスと……そして"ブラッド"の皆の事を……これからも、よろしくお願いしますね」
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