映画の脚本を書いて、ひとりの女の子と出会った話。
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53:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 14:42:27.32 ID:mJTsWdVB0
俺がヒツジの行方を知ったのは、もう少し後の話だ。
彼女は「あの映画」の出演を機に、演劇部にはいったそうだ。
細かい部分は分からないが、彼女はそこで女優のスカウトを受けた。
54:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 14:43:23.73 ID:mJTsWdVB0
研究会の中でも彼女の噂は、度々飛び交っていた。
ろくな話をしないことに嫌気がさして
俺はいつしか飲み会にも顔を出さなくなった。
55:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 14:55:07.12 ID:mJTsWdVB0
大学を卒業してからは、あまりの忙しさに
毎日吐きそうになりながら働いてたよ。
終電まで仕事をして、フラフラの身体で
56:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 14:58:46.42 ID:mJTsWdVB0
渋谷の飲み屋で待ち合わせをしてたら
懐かしい顔ばかりがやってきたけれど、
くだらない話をしてるうちに
すぐに打ち解けることが出来たな。
57:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:01:05.43 ID:mJTsWdVB0
俺以外にも久しぶりに会う奴らが多かったみたいで、
ヒツジの周りにはたくさんの人が集まっていたんだ。
「すげー綺麗になったよな」
58:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:04:04.20 ID:mJTsWdVB0
いったん飲み会が終わって、
各々が二次会に足を伸ばそうとしていた。
俺もそれにならって次の場所に向かおうとしたんだが、
59:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:05:30.41 ID:mJTsWdVB0
「ああ、久しぶり」
ようやく絞り出した声はどこか上ずっていた。
「もしかして、怒ってませんでした?」
60:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:12:29.84 ID:mJTsWdVB0
「二次会にはいかないのか?」
「ええ、明日も撮影があるので」
61:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:22:10.99 ID:mJTsWdVB0
夜道を歩くその距離は、ちょうど一人分の隙間があった。
俺はなにやら夢見心地のような気分だった。
「そういえば、明日は撮影って言ってたな」
62:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:24:44.42 ID:mJTsWdVB0
「わたしがいなくなって、寂しかったですか?」
「はぐらかすなよ」
63:名無しNIPPER[saga]
2024/08/16(金) 15:28:43.93 ID:mJTsWdVB0
「俺に?」
「そうです」彼女はちいさく頷いた
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