70:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:48:16.24 ID:XVB8s0iW0
ただし、そんな彼らでも戦争末期には意欲を失っていた。
魔神たちは常に侵犯者のOMNEを破壊するべく脆弱性を探っていたが、
「最強の四柱」のOMNEは情報的にあまりに堅牢かつ難解であったため、
末期には思うように解析が進まず苛立ちが増していった。
71:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:48:50.81 ID:XVB8s0iW0
もちろん大人しく居残ろうとはしなかった。
ロダンが去り、ジュベレウスが仮死状態となった後、
彼ら魔神派を抑えられる者はもう天界にはいなかった。
加えて彼らは敗戦で苛立ってもおり、
72:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:49:16.98 ID:XVB8s0iW0
魔神派の最終目的は「旧世界と全能性を取り戻す」というものであり、
エーシルにその意図がない以上、
結局ジュベレウスの復活なくして達成し得ないものであった。
しかし天界内戦はその望みを絶ってしまう可能性があった。
73:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:49:45.34 ID:XVB8s0iW0
しかしここで一時、事態が急変した。
実に間が悪いことに、エーシルの分離、
さらに少ししてロキたちの隠遁という出来事が起きたのである。
ロキとロプトの虚無への隠遁、
74:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:50:11.96 ID:XVB8s0iW0
魔神のなかでもっとも若輩だったこの一柱は、
混沌界の新支配者となった『人間』にいち早く接触していた。
そして友好関係を築くことにも成功し、
『世界の目』を直接調べることも許され、
75:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:50:38.41 ID:XVB8s0iW0
11 天界と人間
天界内の問題を解決した主神派は、
人間界への本格的な干渉を開始した。
76:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:51:31.11 ID:XVB8s0iW0
ちなみに、これら要素が魔界側にとって脅威になることは無かった。
そもそも天界と違い、
魔界は侵犯者に加えてオリジナルのOMNEたるクイーンシバが健在であったため、
人間たちの認識次第で弱体化するということはなかった。
77:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:51:58.98 ID:XVB8s0iW0
12 人間と魔神
人間を「人間」と呼んだのは魔神たちが始まりである。
彼らはそれまで、実際には「混沌の次子」あるいは単に「次子」と呼ばれていた。
78:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:52:26.15 ID:XVB8s0iW0
なぜ彼らの姿が旧世界の人間と酷似したのか、
魔神たちは偶然ではなく必然と考えた。
混沌界とはもともと、崩壊した原初世界群の残骸が溜まった海であり、
魔神たちが属していた旧世界情報もその中に落ちこんでいた。
79:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:52:52.61 ID:XVB8s0iW0
とはいえ魔神たちは、こうした違いは気にしなかった。
むしろこれら相違点は彼らをより興奮させた。
旧世界の人間が物質領域から完全離脱するには、
きわめて稀なる才と運と果てしない技巧が必要であったが、
80:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:53:18.85 ID:XVB8s0iW0
人間は力を求めていた。
外には天界と魔界、人間界内でもエーシルの長子たる混沌神族がおり、
そのような勢力と均衡するために力の獲得が急務だった。
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