ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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71:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:48:50.81 ID:XVB8s0iW0
もちろん大人しく居残ろうとはしなかった。
ロダンが去り、ジュベレウスが仮死状態となった後、
彼ら魔神派を抑えられる者はもう天界にはいなかった。

加えて彼らは敗戦で苛立ってもおり、
それら鬱憤はジュベレウス代理を称する主神派への反発として
遠慮なく放たれることとなったのである。

いくら「ジュベレウスの加護」の代理行使権という
天界最高権限を握っている主神派といえども、魔神派の反発を無視することはできなかった。
厳密には、天界の神々はジュベレウスと主従契約したのであって、
主神派がその権威を継げるような正統性はなかった。

また主神派が代理行使権を握ったのも、
ジュベレウスから正式に譲られたものでもなく
彼女の敗北によって結果的にそうなっただけである。

そして主神派の器量や性格についても、
使命や規律、統制と勝利を重んじるあまり、
極端で一辺倒な思考にむかう傾向があった。
少なくとも、柔和なジュベレウスが頂点にいた時代と比べて
判断や体制が硬直的になるのは明らかであり、
魔神派はこれらの点を痛烈に指摘し、退任を要求したのである。

一方で主神派四元徳もこれらの指摘自体は一理あるとした。
しかし、それでも最高指導部からの退任は拒絶した。

それはジュベレウスによって植え付けられた生来の性格、
戦争に勝つための一切妥協しない信念、
そして頑なな使命感と用心深さゆえのものだった。

彼らは結局のところ、原初世界群から集まった『よそ者』を信頼できなかったのである。
とくに魔神派がジュベレウス/天界に対して根本的に「無責任」であることは明白であり、
そんな者共の発言を受け入れるなど論外であった。

天界の行く末、そして将来的なジュベレウスの復活を託せられるのは、
彼女から血肉を授かった『身内』の我々しかいない、それが主神派の結論だった。
たとえ信義や正統性に反しようとも、絶対に退けない一線があると。

「言霊で決まらぬのなら、武で決するのみ」
それが主神派の返答だった。
これは危険な賭けであったが、彼らには勝算があった。
それも戦って勝つのではなく、戦わずに勝つ方法があったのである。


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