76:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:51:31.11 ID:XVB8s0iW0
ちなみに、これら要素が魔界側にとって脅威になることは無かった。
そもそも天界と違い、
魔界は侵犯者に加えてオリジナルのOMNEたるクイーンシバが健在であったため、
人間たちの認識次第で弱体化するということはなかった。
また魔界は恐怖、嫌悪、憤怒、憎悪といった負の性質を糧にする。
ゆえに人間から悪しきもの、忌まわしきもの、と認識されても問題はなく、
むしろそう認識されたらより強くなり得た。
人間たちの認識が光と闇の趨勢すら左右するとはいえ、
魔界にとってはなんら脅威性はなく、
今まで通りに活動するだけだった。
一方、負の性質を糧にする魔界とは違い、
天界は慈悲、慈愛、信頼、忠義、献身などの善き性質を糧にする。
ゆえに天界は人間との友好路線を選ばざるを得なかった、
とは言うものの、こちらも特に難があるものではなかった。
元より友好は天界の気質に合致しており、
さらに人間たちに「天界は有力な支援者」という認識を抱いてもらえば
弱体化を防げられるどころかより勢力を強めることも可能と、
不利益は無かったのである。
そのため主神派による人間界との友好方針は
天界全派閥が即座に同意した。
中でも魔神派がこの方針を喜び、
人間との交流役に自分たちも参加させるよう求めた。
主神派側も、先の内紛による反感はひとまず脇に置き、
彼らの要望を全面承認した。
魔神たちは人間とよく馴染む部分が多く、
現地の友好や様々な業務を任せるうえで適任だったからである。
それもそのはずで、
なにせ魔神たちも元は「人間」だった。
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