78:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:52:26.15 ID:XVB8s0iW0
なぜ彼らの姿が旧世界の人間と酷似したのか、
魔神たちは偶然ではなく必然と考えた。
混沌界とはもともと、崩壊した原初世界群の残骸が溜まった海であり、
魔神たちが属していた旧世界情報もその中に落ちこんでいた。
そして魔神たちの故郷世界は
「第二の魔族」や侵犯者を生じえたほどの可能性もあったため、
混沌の中でも消えずに表面化した、魔神たちはそう考えた。
「人間」の姿が酷似していたのはその情報が引継がれたためだと。
ただしこれらはあくまで推測であり、実際に証明することは困難だった。
エーシルの意志が宿る以前の混沌界は
観測不能な領域だったからである。
また旧世界と新世界、それぞれの「人間」の姿は酷似しようとも、
生命としては大きな相違点もあった。
旧人間と比べて、この新人間たちは遥かに頑強で、
そして寿命も永遠に等しかったのである。
旧世界の人間は物質領域に極端に縛られていた。
魂の状態に関係なく、肉体の損壊で容易に死に、
また同じく老いてしまい短命であった。
一方この新世界の人間たちは、天界や魔界の者たちと同様
物質よりも霊的領域を基盤とする存在だった。
精神と魂が壮健であるかぎり肉体の損壊はすぐに癒え、
また内面が若ければ老いることもなかったのである。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20