悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:39:38.50 ID:nMXYXkpFO
「こほん」
「今更取り繕っても無駄だぞ」
「お黙り」
逆に揶揄われて顔を赤くすると彼は不意に。
以下略
AAS
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:43:25.88 ID:nMXYXkpFO
「やっぱり仲良いんだな、お前ら」
「どこがっ!?」
微笑ましそうに見守る家来に噛みつくと、彼は寂しそうに微笑んで席を立ってしまう。
以下略
AAS
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:46:19.72 ID:nMXYXkpFO
「キミはさ、綺麗な顔してる癖に僕たちのことをを遠巻きに眺めるだけで近づいて来なかったよね。そういう俯瞰で客観的に物事を見ているところが気に入らなかったんだよね」
「あたしはあんたのことをもっと良い奴だと思ってたケド、見る目がなかったみたいね」
「僕は良い奴だよ。その証拠に、キミにとってより良い提案をしてあげようじゃないか」
いくら払い除けてもしつこくほっぺをつついてくる王子を睨みみつけるあたしに、底意地が悪そうな顔をしてこんな提案をしてきた。
以下略
AAS
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:49:25.71 ID:nMXYXkpFO
「そっちがその気なら、あたしはあんたがあの人を傷つけてないか目を光らせておくわ」
「では、契約成立ということで」
「は? それとこれとは話が……」
「あはは。初めての彼女がキミみたいな奴でも存外、ワクワクする。不思議だよね?」
以下略
AAS
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:52:25.08 ID:nMXYXkpFO
「そもそもなんであいつが良いわけ?」
「なんでって……なんとなく」
美味しいランチをご馳走になって満腹のあたしが無防備なところを見計らうように、王子は好意の理由を詰問してきた。食い過ぎた。
以下略
AAS
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:54:00.42 ID:nMXYXkpFO
「そんなにあの人のことが大切なら、あの人みたいな女の子と付き合えば良いと思うな」
「そんな女の子は居ないよ。あいつは裏表がないからね。あいつと一緒に居ると、劣等感で苦しくなる。だから彼女にはしたくない」
そんなものだろうか。底抜けに良い人の近くに居ると、たしかに劣等感に付き纏われるのかも知れない。そう考えると、少し可哀想。
以下略
AAS
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:57:10.06 ID:nMXYXkpFO
「ちょっとあたしの考えを訊いて欲しい」
「うん、いいよ。訊こうじゃないか」
「あたしもあんたも人としてどうしようもない部分がある。あの人はそういう嫌なところがない。でも、目を背けてはいけないんだ」
「よくもそんな大真面目な顔をして、少年漫画の主人公みたいなことを言えるものだね」
以下略
AAS
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 22:59:51.80 ID:nMXYXkpFO
「となると、あたしはあんたを振らず、捨てられた可哀想な女になる必要があるわけか」
「その発想がもう可哀想とは程遠いけどね」
発想は自由だ。口に出さなければ問題ない。
以下略
AAS
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:02:17.80 ID:nMXYXkpFO
「まったく……自分から言い出した癖に」
「あんた、最初からわかってたでしょ?」
教室から連れ出して、人気のない階段の踊り場で詰問すると、王子サマは素直に答えた。
以下略
AAS
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:04:37.17 ID:nMXYXkpFO
「ところでさ」
「なによ、教室に戻らなきゃ……」
「教室まで、手、繋ぐ?」
手か。まあ手くらいなら。もう繋いでるし。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2022/01/02(日) 23:06:03.52 ID:nMXYXkpFO
「姫もどき」
「なによ、王子もどき」
この頃、そんな呼び方が定着してしまった。
お互いに否定出来ないので訂正することなく性悪コンビは継続している。なんだかなぁ。
以下略
AAS
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