悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 22:43:25.88 ID:nMXYXkpFO
「やっぱり仲良いんだな、お前ら」
「どこがっ!?」

微笑ましそうに見守る家来に噛みつくと、彼は寂しそうに微笑んで席を立ってしまう。

「邪魔者はここらで退散するよ」
「待っ……」
「今日は姫と話せて、良かった」

あたしだって良かった。それなのに。くそ。

「で? なんで邪魔したわけ?」
「べっつにー。ただ、外堀から埋めていくようなセコイやり方が気に入らないってだけ」
「ただの独占欲でしょ?」
「あはは。なかなか興味深い感想だね」

図星を突かれても顔色ひとつ変えない王子。
家来が居なくなってもあたしの隣に座り続けているのはひとえに後を追えないように妨害してるだけ。女よりもずる賢い女狐みたいだ。

「ちょっとじっとしてて」
「なにしてんの?」
「ほーん。やっぱり、男なんだ……」

ぺたぺた胸を触って確認するも女ではなかった。ワンチャン性別を偽っている可能性というか願望が潰えてしまった。すると不意に。

「ぷーっくすくす……馬鹿みたいでウケる」
「あ?」
「ごめんごめん。真面目な顔をしてひとの胸を触って落ち込んでいたからさ……ついね」

こいつ。やっぱり性格最悪だ。謙虚な第一印象は猫を被っていただけで、こっちが本性。
自分の恥ずかしい言動を指摘されて赤面しているあたしのほっぺを楽しそうに突っつく。


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