黒雪姫「ハルというのは君の名か?」ハルヒロ「え?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:15:49.57 ID:VlyNWS6QO
プロローグ

「どこだ、ここ……?」

ハルヒロたちは気づくと見知らぬ空間?
いや、世界に居た。ここは、異世界だ。
どうしてそう断言出来るのかはハルヒロにもよくわからない。ただ五感全てがここは違うと脳に伝えてくれている。だから、わかる。

「メリイ……」

傍にメリイが居て、周囲を見渡している何やら呟いているようだが、何故か聞こえない。

「クザク、ランタ、ユメ、セトラ……」

他の仲間たちも近くに固まっていて、それなのに声が伝わらない。ただお互いに共通の認識として異世界に迷い込んだと理解していて、それぞれ武器を構えて警戒していた。

「姿は見えてるよな……?」

拙いジェスチャーで自分の目と仲間たちの目を指さすと各々頷きを返してきた。どうやら声だけは届いていない。なんなんだここは。

「っ……!」

ランタが何かを見つけたようで反りの強い黒剣をその方角へ向けると、そいつらは居た。
地面から生えた7つの建造物の上でこちらを見下ろす視線の数は8つ。どうして7つ建造物から8つの視線を感じるかと言うと、正面の建物の上に2人立っているからだ。人間だろうか。それにしてはフォルムがおかしい。

「なんだ、あいつら……?」

そいつらは全身に鎧づくめというか、鎧を身に付けているにしてはスマートすぎる者も多く、まるでそのまま生まれたみたいだった。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:18:19.20 ID:VlyNWS6QO
「それに、このバー……何かのゲージか?」

ずっと気になっていた視界上端のバー。
目盛はないがゲージのようにも見える。
たぶんゲージだ。体力? それとも魔力?
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:20:42.89 ID:VlyNWS6QO
「うわ、避けた!?」

ユメの弓矢は真っ直ぐヘルメットを目指して進んだが、なんなく躱されてしまった。
どうやらあの翼はかなり機動力がある。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:22:30.63 ID:VlyNWS6QO
「今だ、ランタァ……!」

ハルヒロが命じるまでもなかった。
ランタがヘルメット野郎に飛びかかる。
大口を開けているからどうせ「我流!!」とか恥ずかしいことを叫んでいるに違いない。暗黒騎士の反り返った刃が敵に届く寸前。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:24:20.49 ID:VlyNWS6QO
「まずいまずいまずい……!」

ハルヒロは混乱していた。なんだこの状況。
いきなり別の世界に来たと思ったら声が伝わらないし、先住民らしき存在に囲まれてパーティが壊滅寸前。打開するには各個撃破しかない。まずはランタだ。早く立てよ。クザクの盾がヘルメット野郎の攻撃でボコボコだ。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:26:20.89 ID:VlyNWS6QO
「クザク、一旦引け!」

これがアクセルなんちゃらではなく別の世界観ならスイッチ! とかカッコよく叫んでクザクを下がらせることが出来たかも知れないが、どちらにせよハルヒロはそんな異世界を観たことも聞いたこともないのでクザクの肩を掴んで強引に後ろに下がらせた。メリイ。

「よかった……まだ無事だ」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:28:40.61 ID:VlyNWS6QO
「じゃあ、俺はランタのカバーを……」

ランタとヘルメット野郎はなかなか良い勝負をしているようで飛んだり跳ねたり忙しい。
高速戦闘は結局集中力の戦いだ。どちらも目の前の相手しか見えてないだろう。それならば容易く背後を取れる。無論、ランタの背後ではなくヘルメット野郎の背後だ。ランタのことは嫌いだけど、ハルヒロはランタを頼った。だから行かないと。だけど、メリイが。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:31:56.19 ID:VlyNWS6QO
「ステルス……」

高速戦闘を続けていたランタは疲れていた。
保ってあと数分だっただろう。危なかった。
ハルヒロは再び影に沈む。誰も気づかない。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:33:57.20 ID:VlyNWS6QO
「あ……?」

全然、見えなかった。黒の王は、速かった。

「あれ……? 立てない……痛っ」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:36:26.93 ID:VlyNWS6QO
「ハル……ハル!」

メリイは両手に光を輝かせてハルヒロを治療してくれた。両手と両足に空いた穴が塞がってようやく立てるようになった。立て。立たないとメリイを守れない。すると黒の王が。

「ハルというのは君の名か?」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:38:48.30 ID:VlyNWS6QO
「ハルに何をするつもりですか……?」
「心意システムと言っても君らにはわからないだろうから省略する。この加速世界にはたまに君達のような異世界人が迷い込むことがある。その時は決まって、こうして元の世界へと送り還すのだ。大丈夫。痛みは一瞬だ」

説明しながらハルヒロの背後に回った黒の王の切先から何やら眩い光が輝き、そしてそれを四つん這いになったハルヒロの尻に放つ。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:41:54.32 ID:VlyNWS6QO
エピローグ

「メリイ……その、さっきのこと」
「うん……」

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:43:26.41 ID:VlyNWS6QO
フリー素材のBGMに『横顔』という曲がありまして、それを聴きながら書き上げました。
とても良い曲なので是非聴いてみて下さい。

灰と幻想のグリムガルとアクセル・ワールドは以前から一度書いてみたい作品でしたが、両作品共に設定がてんこ盛りでキャラクターの口調も難しく、これが自分の限界でした。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2021/11/20(土) 20:21:51.03 ID:yB7BZZD20
自分語り乙


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