黒雪姫「ハルというのは君の名か?」ハルヒロ「え?」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:33:57.20 ID:VlyNWS6QO
「あ……?」

全然、見えなかった。黒の王は、速かった。

「あれ……? 立てない……痛っ」

気づくとハルヒロは黒の王の前に跪いていて両手両足には穴が空き、刺し貫かれていた。

「ははっ……」

思わず乾いた笑みが溢れた。絶望すら感じる間もない速度。こいつが何者かは知らないけれどこの域に到達するためには相当な修練と膨大な歳月を要したに違いない。敬服する。

「よせ、ランタ……」

助太刀しようと黒の王に斬りかかったランタは緑色の大きな盾を持った新手に阻まれた。
視線は8つ。まだ居たのか。勝ち目はない。

「お願い、します……どうか、仲間だけは」

ハルヒロは地面に額を擦りつけて懇願した。
自分でも惨めだと思う。でも仕方ないだろ。
俺はリーダーだから。仲間が大切だからさ。

「なんでもします、だから、お願いします」

しかし、ハルヒロの言葉は伝わらなかった。
黒の王が再び黒剣を突きつける。終わりだ。
あとは祈るしかない。仲間の無事を。祈る。

「ハル!」
「メリイ……?」

全てを諦めたその時、ずっと聞こえなかった、聞きたかった仲間の声がハルヒロの耳に届いた。ハルヒロをハルと呼ぶのは仲間の中でもひとりしか居ない。メリイだけである。


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