黒雪姫「ハルというのは君の名か?」ハルヒロ「え?」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 19:31:56.19 ID:VlyNWS6QO
「ステルス……」

高速戦闘を続けていたランタは疲れていた。
保ってあと数分だっただろう。危なかった。
ハルヒロは再び影に沈む。誰も気づかない。

「どこに刺せばいい……?」

気配を消して、斜め上から俯瞰する感覚。
ヘルメット野郎は西陽を反射してわかりづらいが銀色らしくピカピカ光沢を放っている。
やはり鎧を身につけているわけではないらしく継ぎ目が見当たらない。先程ランタの剣を腕で弾いたことから考えてもとてもハルヒロのダガーが刺さるとは考え難い。硬い敵だ。

「目までしっかり隠してるし……」

硬い相手を仕留めるには柔らかい部分を探すのが基本だ。目は柔らかく、奥まで突き刺せば脳まで届くのでそこを狙いたいところだけど、出来そうもない。観察すると手足の可動部に隙間があるのでそこにダガーを突き立てれば刺さりそうだが、致命傷足り得ない。
そもそも高速で飛び跳ねる相手の関節の隙間に刃を突き刺すなんて不可能に近い芸当だ。

「だったら……」

ハルヒロは、静かにダガーを横に振った。

ギャンッ! と金属同士がぶつかる音がして、ダガーが吹っ飛んだ。武器を失ってしまったがヘルメット野郎の翼の光が消えてホバリングしていた足が地についた。速度が落ちる。

「いけ、ランタァ!!」

ランタが上段に構えて大口を開く。また「我流!!」と叫んでいるのだろう。反り返った刃がヘルメットへと迫り来る。その、瞬間。

ギンッ!

「えっ……!」

いきなり黒くて尖った新手が出現して、剣のような腕でランタの斬撃を受け止めていた。
なんだ、こいつ。無意識にハルヒロは呟く。

「黒の、王……?」

西陽を一切反射しない漆黒。その存在感はハルヒロを畏怖させた。王。まさしく、王だ。
純度が高い黒剣が突きつけられ、放たれる。


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