46:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:23:05.21 ID:uyzFntxd0
「豊橋、あれっ」
「……あれ?」
47:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:24:24.20 ID:uyzFntxd0
「タクシー使えば余裕のよっちゃんだろ!」
「え、でも、辰野君は自転車だから……」
48:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:25:20.09 ID:uyzFntxd0
「た、辰野君っ!」
タクシーに踵を返そうとしたところで、豊橋に声をかけられた。珍しく大きな声だったから、ちょっとびっくりした。
49:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:26:36.47 ID:uyzFntxd0
「どういたしまして。そんじゃな、豊橋」
「う、うんっ。また、学校で」
50:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:27:54.81 ID:uyzFntxd0
◇
51:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:28:41.36 ID:uyzFntxd0
久しぶりにブラック・チェリー号に跨り、やけにペダルが重く感じたのはきっと冬の乾燥でチェーンオイルが渇いたからに違いない、なんて思いつつ、学び舎へ到着する。道行く廊下で友人知人とすれ違えば「あけおめ」「ことよろ」の挨拶を交わして、教室にたどりつく。
そこでもまた「あけおめ」「ことよろ」合戦をしつつ、廊下側から数えて二番目の列の一番後ろから二列目の席へ到着、すると。
52:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:29:43.81 ID:uyzFntxd0
「おー。おはよう、アンドあけおめー」
「あ、あけまして、おめでとう……」
53:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:30:31.84 ID:uyzFntxd0
「えっと、すごく、喜んでくれたよ」
妙にたどたどしく豊橋は言った。本当かよ、デブに鞭打った割に微妙で気を遣ってるとかないよな。
54:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:31:23.59 ID:uyzFntxd0
そうこうしているうちに始業のチャイムが鳴り、生徒たちが自分の席につく。程なくして几帳面な性格をしている担任の先生がやってきて、新年に関するありがたいお言葉や訓示をのたまう。
それから、こう言った。
55:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:32:33.53 ID:uyzFntxd0
ともあれ、先生が事前に用意しておいたくじを引き、これからしばらく運命を共にする席へと生徒たちは案内される。
くじを引くのは五十音順。先生が出席簿を片手に、「じゃあまずは飯田からだな」と生徒を呼びつける。
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