55:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:32:33.53 ID:uyzFntxd0
ともあれ、先生が事前に用意しておいたくじを引き、これからしばらく運命を共にする席へと生徒たちは案内される。
くじを引くのは五十音順。先生が出席簿を片手に、「じゃあまずは飯田からだな」と生徒を呼びつける。
俺もその中頃に呼ばれた。一足先にくじを引いた隣の席の鉄道系男子は一番後ろの窓際という主人公席を引き当てたようで、天に感謝を捧げていた。俺もその強運にあやかりたいところである。
「っし、やってやるでござるよ」
腕まくりをしながら言うと、「お前また肥えたなぁ」と声が上がった。普段からよくつるむお調子者の男友達のものだった。
「もしもに備えて蓄えてんだよ、デブの防災意識舐めんな」
そう俺は返す。
「辰野は防災より健康に気をつけなさい。食いすぎだ」
しかし先生からそう言われては何も言い返せなかった。「はい、すんません」と大人しく返事をするとそこかしこから笑い声が上がった。
それから俺はくじを引く。そして中身を拝見する。さぁ、栄光の後ろの席よ、我が手に……!
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