54:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:31:23.59 ID:uyzFntxd0
そうこうしているうちに始業のチャイムが鳴り、生徒たちが自分の席につく。程なくして几帳面な性格をしている担任の先生がやってきて、新年に関するありがたいお言葉や訓示をのたまう。
それから、こう言った。
「さて、年も明けたことだし、心機一転に席替えでもするか」
それにわぁわぁと教室中から声が上がった。席替えとは学校生活に置いての一大イベントなのだからしょうがない。
かくいう俺は「この絶妙に先生から当てられづらい席ともお別れか……」なんてセンチメンタリズムをちらつかせて、「前の方の席になりませんように」と天に祈りを捧げた。隣の席の鉄道系男子も同じことを考えていたのか、俺と目が合うと、くしゃりと苦笑してみせた。おお、友よ。わかってくれるか、この祈りを。
「……席替え……」
そして後ろの席の豊橋はやけに重たそうな呟きを吐き出していた。
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