ハートの融点
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20: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:37:06.89 ID:S7yVE8bX0



「九回裏、抑え込まれていたおしぶ打線が最後の意地を見せました。クリーンナップが鮮やかに出塁し、本日初めて訪れたチャンスらしいチャンス! 満塁で迎えますは主砲、渋谷選手です。さぁアウトカウントは二つ、試合は彼女に委ねられました!」

以下略 AAS



21: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:37:40.03 ID:S7yVE8bX0

プロデューサーは本当に打たれるとは思っていなかったようで、目を白黒とさせていた。

「はい。私の勝ち」
「いや、えー? 野球できたの?」
以下略 AAS



22: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:38:56.62 ID:S7yVE8bX0



それから、ボールはすぐに見つかったものの、よほど負けたことが悔しかったのか「野球はもう終わりです」と彼は私を散歩に誘う。

以下略 AAS



23: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:39:45.76 ID:S7yVE8bX0



その後、最短距離で東京へと舞い戻り、私は自宅への帰還を果たす。
もう既に半日近く彼と遊んでいたと思うと、一日の過ぎ去る速度に驚いてしまう。
以下略 AAS



24: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:40:12.79 ID:S7yVE8bX0

けれども、母はそんな私の思いなど察しているかのように笑って「気にしないの。凛が生まれる前は二人でやってたんだから」と言った。

「それに、まだ何日かお盆休みもらってるんでしょう? 凛の気が済まない、っていうなら空いてる日に手伝ってくれたらいいわよ」
「うん。その日は頑張るから」
以下略 AAS



25: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:41:53.23 ID:S7yVE8bX0



結局、私とプロデューサーが再集合することができたのは、空が薄ぼんやりとしてきた頃だった。
日中あれだけ猛威をふるっていた太陽は影も形もなく、代わりにぽつりぽつりと星が瞬いている。
以下略 AAS



26: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:45:14.78 ID:S7yVE8bX0

「なにそれ」
「ああ、えっと、これはクーラーボックス」
「それはわかるけど、なんで?」
「良いものが入ってる」
以下略 AAS



27: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:50:54.96 ID:S7yVE8bX0

「あ」
「え」

間の抜けた声が重なる。
以下略 AAS



28: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:54:39.44 ID:S7yVE8bX0

「結婚指輪渡すみたいにピノ渡す人、初めて見た」

差し出された箱からピックを取り出して、中央に鎮座しているピノをぷすりと刺す。
午前中に食べたそれよりも、すんなりとピックが通るのを感じて、溶けかけているのだと気付いた。
以下略 AAS



29: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:58:17.54 ID:S7yVE8bX0

「ほらね。溶けてたでしょ」

投げた声が届いているかどうかは、どうでもよかった。



30: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:58:47.77 ID:S7yVE8bX0

おわり



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