738: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:24:45.95 ID:m+vxd/s9o
「随分慌ただしいねえ。あんたもまだ回復してないんだろ?」
デボラが苦笑した。右肩は石膏で固められている。
「急いだ方がいいみたいだからな。一応、クロエたちの薬のお蔭で多少は体力は戻っている」
739: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:25:25.18 ID:m+vxd/s9o
#
「存外『魔王』も感傷的なんだねえ」
馬上のクロエがニヤリと笑う。
740: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:26:06.23 ID:m+vxd/s9o
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「……えっ?」
「ん?部屋は2部屋だよ。私はブランと、であなたたちと」
741: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:26:33.85 ID:m+vxd/s9o
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「〜♪」
プルミエールは上機嫌で鼻歌を歌っている。こいつもこいつでどうにも調子がおかしい。
742: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:27:05.85 ID:m+vxd/s9o
都市紹介
エルファン
モリブス南部の宿場町。人口は1万人程度で、やや高地にある。オルランドゥ大湖のほとりにあり、風光明媚なことから高級避暑地としての人気が高い。
743: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:28:14.42 ID:m+vxd/s9o
第28-2話
744: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:28:49.94 ID:m+vxd/s9o
……誰だろう、この人。
745: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:29:47.79 ID:m+vxd/s9o
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「あ、戻ってきた」
宿に着くと、ちょうどクロエさんたちがフロントに出てきたところだった。湯浴みの後なのか、2人とも髪が濡れている。
746: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:30:24.30 ID:m+vxd/s9o
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「おー、よく来てくれたな」
店に入ると、さっきと同じ髑髏のシャツ姿で、ランダムさんが出迎えに来た。
747: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:30:51.77 ID:m+vxd/s9o
「え、ええ、まあそんなところです」
「心配すんなよ、訳ありなのは初見で分かってる。お前さんたちが連れて来たそのカップルも、まあまあ只者じゃないな。
例えばそこの黒髪の姉ちゃんが左腕に着けているのは、ただの腕輪じゃない。違うか?」
748: ◆Try7rHwMFw[sage]
2021/01/11(月) 18:31:20.99 ID:m+vxd/s9o
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夕食はとても楽しく、和やかに進んだ。エリックが魔族であることはすぐに見破られたけど、特に詮索されることもなかった。
何より、料理は本当に絶品だった。湖で取れた「イール」という魚を焼いたものに濃いソースをかけたものや、山で獲れた野鳥のスープなどはきっと忘れられない。
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