佐々木「今度、洗いっこしようか?」キョン「は?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 20:52:01.40 ID:I1wck53cO
「人間原理だっけ? その考え方は嫌いだな」

嫌いと口にしつつも、佐々木は瞳の中の星々をキラキラと輝かせながら、くつくつ笑う。
こいつの喉の奥からどうやったらそんな音が漏れ出るのか、そっちのほうが俺にとってはよっぽど奇妙で不可思議だった。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 20:54:30.35 ID:I1wck53cO
「さて、話を戻すが、要するに人外の視点で物事を考えることが出来れば、人間原理は覆せるかも知れないということだね」
「草か犬にでもなるつもりか?」
「たしかに僕は、観葉植物みたいに静かで犬のように本能に従順な生き方には憧れるが、性格的にそれを真似ることは不可能だろう」

たしかに目鼻立ちの整っている佐々木は黙っていれば観葉植物のように見るものに対して癒しや潤いを与える存在になれるやも知れんが、口を開けば薀蓄が飛び出し、また根本的にどうしようもなく皮肉屋なので犬のような従順さは持ち合わせていない。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 20:57:51.47 ID:I1wck53cO
「なあ、佐々木」
「ん? なんだい?」
「興味本位で尋ねるが、お前にとって都合の良い世界ってのは、どんな世界なんだ?」

すると佐々木はこれまで見たことのないほどにフニャッとした顔をして、夢みがちに。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:00:29.56 ID:I1wck53cO
「少年の夢のようでいて現実的な観点からそれを否定したくても否定しきれず、実現の可能性を模索しているところがキミらしいね」
「うるさいな。ほっといてくれ」
「まあまあ。そもそもキミはまだ中学生なんだから、もっと自分の願いに忠実になるべきだと僕は思うよ。捻くれるのは高校に上がってからでも遅くはない筈だ」

そう言う佐々木だって、中学生だろうに。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:02:21.04 ID:I1wck53cO
「ね、キョン」
「なんだよ」
「誰かに髪を洗って貰うのはきっとすごく心地良いだろうと、そうは思わないかい?」

たしかに、ドライな状態でもこの具合だ。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:04:22.47 ID:I1wck53cO
「佐々木」
「なに? キョン」
「確認しておくが、要するにお前は、お互いに髪を洗い合いたいわけだな?」
「うん。そう言ったつもりだよ」

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:06:34.69 ID:I1wck53cO
「ほんとに、ほんとにもう!」
「そ、そんなに怒るなよ」
「怒るに決まってるじゃないか! 僕は観葉植物じゃないんだから! 犬だって怒るよ!」

佐々木は見るからに激怒していた。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:08:57.17 ID:I1wck53cO
「さあ、どうする佐々木?」
「ふん。どうするも何も、キミに協力するつもりがないのなら、洗いっこはなしだよ」
「そんなっ!?」

なんて諦めの早い奴なんだ。もっと粘れよ。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:11:23.28 ID:I1wck53cO
「キ、キミは僕に頭を洗って貰いながら、目の前で水着を脱ぎ捨てるつもりなのか!?」
「ああ、違う違う。逆だ、佐々木」
「ふぇっ? ぎゃ、逆って……まさか!?」
「そう。俺が佐々木の髪を洗っている最中に、泡が入らないようにお前が目を閉じているその隙を見計らって、全裸になるのさ」
「やめて! 怖くて目を閉じれないだろ!」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:14:17.59 ID:I1wck53cO
「そろそろ、雨がやみそうだな」
「うん。そのようだね」

ようやくまとまった髪の洗いっこ計画に満足しつつ、再び窓の外を見やると雲の隙間から陽の光が差していた。雨脚もだいぶ弱い。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 21:15:36.39 ID:I1wck53cO
「フハッ!」

本来ならば自分自身の放尿に愉悦を抱くことは恥ずべきことであるが、それで誰かを助けることが出来るのなら、そこに迷いはない。

それは絵面的に、アニメ的にも漫画的にも特撮的にも、実現不可能なヒーローだろう。
以下略 AAS



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