佐々木「今度、洗いっこしようか?」キョン「は?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/26(日) 20:57:51.47 ID:I1wck53cO
「なあ、佐々木」
「ん? なんだい?」
「興味本位で尋ねるが、お前にとって都合の良い世界ってのは、どんな世界なんだ?」
すると佐々木はこれまで見たことのないほどにフニャッとした顔をして、夢みがちに。
「それはもちろん理解者が傍に居て、面倒くさい僕の話に相槌を打ってくれて、たまに戯言を笑い、そして時にはやんわり叱ってくれるようなそんな優しい世界を求めているよ」
ふむふむ。なるほどな。これは意外だった。
よもや佐々木がそんな少女漫画にありがちな背中が痒くなるようなロマンチストだとは。
「はっ! い、今のなし! 忘れてくれ!」
俺がポカンと呆気に取られていると佐々木は正気に戻ったらしく、慌てて話を逸らした。
「そ、そういえば、キョン。キミはどうも空想上の存在に興味があるようだけど、やはりそのような超常現象の実現を望むのかい?」
「まさか。ないものはないし、それを自分で生み出そうとは毛ほども思わん。ただ……」
「どこかに存在するのなら会ってみたい?」
「ま、そんなところだ」
俺が望む、俺にとって都合の良い世界とは、アニメ的漫画的特撮的ヒーローだとか、妖怪、宇宙人、異世界人のような相手に大立ち回りを演じることではなく、実はこの世界にひっそりと実在するかも知れないそれらの存在に会ってみたいだけという、我ながら極めて控えめでささやかな望みに過ぎない。
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