63:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:58:02.57 ID:qe4+sBJv0
64:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:59:04.63 ID:qe4+sBJv0
いや──
65:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:59:56.88 ID:qe4+sBJv0
花丸の背中を優しく撫でてあげる。
目の前でこんもりと盛り上がった土は、墓と呼ぶにはあまりにも簡素だった。
こんな幼子が大事な家族を亡くして、平気でいられるわけがない。
66:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:01:08.90 ID:qe4+sBJv0
怖くて顔を上げることができない。
「私、知ってたずら。」
「えっ?」
67:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:03:03.75 ID:qe4+sBJv0
──────
────
──
68:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:03:56.87 ID:qe4+sBJv0
「だから、自分のことを悪魔なんて言わないで。」
花丸はヨハネの腰のあたりにぎゅっと抱き着いた。
「ヨハネちゃんは私の天使だよ。」
69:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:06:02.27 ID:qe4+sBJv0
「ヨハネちゃんが先に寝ちゃってるずら。」
くすくす笑いながら、花丸はよろよろと立ち上がると、ヨハネの寝床だった大樹に手を伸ばす。
「こんなに綺麗に取っておいてくれたんだ。」
70:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:07:15.21 ID:qe4+sBJv0
71:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:08:23.11 ID:qe4+sBJv0
『──きゃっ!びっくりしましたわ!』
『──……あなたはいったい誰ですの?』
72:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:11:13.50 ID:qe4+sBJv0
茂みの中に隠れて、私の名前を叫ぶあの子の声を全て背に受けて。
私は、ヨハネのようにはなれなかった。
そして、教会の鐘が聴こえる最中、今日と同じような便箋が私の元に──。
73:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:12:03.48 ID:qe4+sBJv0
マリーは徐に立ち上がる。
さらに立派になった翼はどこか冷たさを内包している気がした。
そのまま頭上の赤い星に向かって、凄まじい勢いで羽ばたき始める。
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