69:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:06:02.27 ID:qe4+sBJv0
「ヨハネちゃんが先に寝ちゃってるずら。」
くすくす笑いながら、花丸はよろよろと立ち上がると、ヨハネの寝床だった大樹に手を伸ばす。
「こんなに綺麗に取っておいてくれたんだ。」
枝から引き出した花丸の手には、シロツメクサの冠が握られていた。
覚束ない足取りで動かなくなったヨハネの元まで戻ると、それをそっとヨハネの頭に被せてあげる。
そして、自分のポケットからも同じように冠を取り出すと、自分の頭に被せた。
「えへへ、お揃いずら。」
2人の冠は、まるで摘んだ時の状態を留めているように煌めいていた。
「ヨハネちゃん、本物の天使みたいずら。」
言い終わらないうちに、花丸は倒れ込むようにヨハネの膝に寝転がり──
そのまま、2人が二度と動くことはなかった。
陽だまりのように穏やかな表情のまま。
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