67:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:03:03.75 ID:qe4+sBJv0
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「花丸ちゃん……?大丈夫……?」
「全然平気ずら?」
「今、ルビィには何も見えてなかったのに、花丸ちゃん、誰かに声かけてた……。」
「ルビィちゃんには見えなかったの?」
「ねぇ、今の花丸ちゃん変だよ。まるで、ルビィのお姉ちゃんみたいだった……。」
「ダイヤお姉ちゃんのこと?」
「う、うん。お姉ちゃんも今の花丸ちゃんみたいに、ある日突然ルビィの家の近くの山で、ルビィには見えない『誰か』と話し始めて……。」
「その日から、お姉ちゃんがよく熱を出すようになって、お医者さんが来たりしたんだ。」
「そして、お姉ちゃんが亡くなる2日ぐらい前に、ルビィには見えないお友達がいなくなっちゃったってしょんぼりしながら帰ってきたんだ。」
「ルビィちゃん……。そんなことがあったの。」
「だから、お父さんとお母さんはあの山には悪魔が住んでいて、お姉ちゃんに取り憑いたんだって、近寄っちゃだめだってルビィに言うようになって……。」
「だから、花丸ちゃんも気を付けてね。あんまり山に行きすぎると悪魔に取り憑かれちゃうよ。」
「大丈夫だよ、ルビィちゃん。ヨハネちゃんは優しいから!」
「それなら良いんだけど……。」
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──そこまで話し終えると、花丸はにっこりと笑った。
「それにね、おばあちゃんは前から体調がよく悪くなっていたずら。」
笑った花丸の瞳からぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちる。
「だから、とても悲しいけどヨハネちゃんのせいじゃないずら。」
ヨハネは、花丸の話をただ黙って聴きながら、彼女の頭を優しく撫でることしかできなかった。
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