花丸「私の天使」
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72:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:11:13.50 ID:qe4+sBJv0
茂みの中に隠れて、私の名前を叫ぶあの子の声を全て背に受けて。

私は、ヨハネのようにはなれなかった。

そして、教会の鐘が聴こえる最中、今日と同じような便箋が私の元に──。

(私が悪魔に近づくことで、私の位は上がる──。)

それからだ、ヨハネに先輩だなんて呼ばれるようになったのは。

その日の晩。私は空にダイヤを、赤い星を輝かせた。

せめてものの枕花だった。


「ダイヤ、私は──」

上を見上げたマリーの瞳は濡れていた。

「あなたに胸を張れる天使になれていないわ。」

そして今日、また一つ新星が増えた。

『私と同じ気持ちになんか、なったことがないくせに!』

頭の中に、ヨハネの言葉が木霊する。

(感情を排してこその天使、か。)

私が行き着く先は、本当に天使なのかしらね。

「ねぇダイヤ、ヨハネ。」

私もそっちへ行けるかしら。

少しだけでも近づいてもいいかしら。




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